【推し活転生】 推しを守って死んだらトマトに転生しました 第3話

ストーリー

【第3話】初めての町

 俺、赤城番(今はトマト)は推しを守って死んで異世界転生した。だが、女神が言うには推しはもうこの世にはいないらしい。俺は守り切れず、推しも殺人鬼から逃げ切ることはできなかったのだ。絶望し、俺もトマトながらに後を追おうと思ったがまだ希望はあるらしい。女神は俺が転生したこの世界の魔王を倒して女神の信者たちを解放すれば女神のパワー?が戻り、俺を元の世界に戻し、尚且つ死んだ当日の朝まで時間を遡らせてくれるらしい!よーし、頑張るぞー!

だが、現実は厳しかった。

「無理無理無理無理ー!あんなん倒せるわけないジャーン」

俺は女神に言われた通り、転生したトマト畑の近くの町へ向かった。そこでオークと出会ったのであった。

え、あれがオーク?いかつすぎるよ、女神様あれは無理だって!

トマトさん、いけますよ!

いや、無理でしょ!俺、ステータスオール1だよ!成績めっちゃ悪かったけど通知表でも1こんなに取ったことないよ!せめてもっと弱そうなのいる町にしてくださいよ!

この女神、たまにポンコツさが垣間見える。普通トマトには転生させないだろうしな。おかしいよな。

あなたのスキルは最強なんです。相手を倒せれば相手のスキルを奪い取れるんですよ!

だ、か、ら!そもそも倒せないって言ってるでしょ!!俺ただのトマトだし!

おかしいですね。確かに強そうです。この街は魔王城から一番遠い町で警備も手薄で弱い魔物しかいないって話だったんです。試しに『鑑定』をしてみてください。

鑑定ってなんですか?

はい、第2話で説明した通りです!

あ、はい。見返します。すみません。

俺は『鑑定』と唱えた!すると、ぼんっとよくゲームで見るウィンドウが表示された。内容はこうだ。

オーク Lv.35 
体力: 900
物理: 800
魔力: 100
知力: 1
スキル: ブルータルスマッシュ
ユニークスキル: アイアンスキン

ブルータルスマッシュ:攻撃力1.5倍の強力な一撃を放つ

アイアンスキン:一時的に鋼鉄化し、敵の攻撃を無効化する。

いやいやいや、強すぎますよ!今の俺じゃ絶対無理でしょ!

恐らくですがいけます。失敗したら間違いなく終わりますが、やってみる価値はあると思います。

女神様正気?トマトに勝算あるの?

はい、あります。実は…


あーもう目の前に飛び出しちゃったよ。なんでこんな目に…。女神さん、本当に大丈夫なんですかね。

大丈夫ですって!私を信じてください!

いかついオークの前に俺は転がり、オークは俺に気付きやってくる。そして不思議そうにトマトを拾い上げた。

もうやけくそだわ、やってやる。

『トマトスプラッシュ!!!!』

俺はオークの口を目掛けてトマト汁を噴射してやった。

するとオークはもがき苦しみ泡を吹いて倒れた。

女神の言う通り、オークにとってトマトは猛毒らしい。目や口にトマト汁を垂らせば瞬殺できるらしい。まさかのチートスキルであった。

ほらね、言った通りでしょ!

はい、すみませんでした。

『ステータスが更新されました。強奪者のスキルにより、 ブルータルスマッシュおよびアイアンスキンを入手しました。』

ブルータルトマト Lv.15

体力: 450

物理: 450

魔力: 100

知力: 1

スキル: 鑑定, トマトスプラッシュ, ブルータルスマッシュ

ユニークスキル: 強奪者, 女神信託者, アイアンスキン

おー!体力と物理がめちゃくちゃ上がった!魔力も上がってるけど、知力は1のまんまか。倒した敵によってステータスの変化が違うのか?さっきのオークも知力1だったしな。そこは今後検証していこう。

ひょっとして俺めちゃめちゃ強いのでは。あんな強そうなオークを倒せちゃうなんてトマトでよかった!

「トマトさん、やばいです。どうやら今オークを倒したことで魔王が勘付いたようです。四大魔人の1人がこちらに来るようです。」

四大魔人ってなんだそりゃ、聞いてないよ。

とにかく隠れてやり過ごしましょう。

「シュルム様。どうされましたか?」

「おい、オーク!どうなってやがる!お前らちゃんと警備してたのか?」

「は、はい。特に異常はないと思われます。」

「無能はいらん。」

シュルムという魔人はそういうと手刀でオークを切り裂いた。あたりは血飛沫で赤く染まった。

「こいつを片付けろ。」

「はっ、承知いたしました。」

「さて、生命反応が消えたのはこの辺りか」

もう到着したようです!

え、早すぎない?倒してから1分も経ってないよ!近くの草むらに飛び込むしかない!

「ふん、こいつか。口の周りに何かついてるな。毒殺されたか。」

シュルムはオークの口周りを嗅いだ。毒物の検知でも行っているようだ。トマトだとバレなきゃいいが。

「トマトでやられたな。これは勇者が誕生したかもしれない。」

バレました。

「おい、オーク。この辺りにトマトがないか確認しろ。見つけ次第燃やせ。俺は魔王様に報告する。」

シュルムは転移魔法を使用し消えていった。

今すぐ逃げましょう!

俺は女神の指示に従い、トマトスプラッシュを地面に放った。ペットボトルロケットのように宙を舞い、そのまま町から離脱したのであった。

こんな使い方あったんだ〜。

続く。

P.S. お読みいただきありがとうございます!なんとか3話まできました。ゴールまで突き抜けていきたいと思います。2話で話がおかしかったところがあったので修正いたしました。ゲーム内容ですが、ステルスアクションがメインになりそうな感じです。あと2週間くらいでシナリオ書き切って制作に入りたいですね!そんなに長ーいストーリーにはならない予定です!12話くらいで完結予定。

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